北海道産赤ビートで世界初のワイン完成 酪農学園大大学院の南さん

 酪農学園大学大学院(江別)の修士課程2年の南典子さん(指導教員・山口昭弘教授)が、キャンパス内に自生する果樹シーベリーから採取した野生酵母を使った「赤ビートワイン」を完成させた。
 社会人大学院生の南さんは、北大大学院農学研究員の知地英征研究員からの提案をヒントに、赤ビートを使ったワイン醸造の研究に取り組んでいる。
 赤ビートは砂糖大根の仲間で、10%程度の糖分を含む。しかし、その搾汁液は果物のように有機酸を含まないため傷みやすい。今回、製造したワインは、最も相性のよかった野生の酵母を利用してアルコール発酵を行うことで、赤ビートの自然な甘みを生かしながら、保存性を高めた。
 原料の赤ビートは、江別の食品加工・製造業のアグマリンプロテックから無償提供を受け、ばんけい峠のワイナリー(札幌)に醸造を委託。世界初となる赤ビートワインを完成させた。原材料はすべて北海道産。
 今回は数量限定の生産のため、一般販売は行わない。南さんは「赤ビート特有の土壌の風味がほのかに残る味わい深いワインができたと思う。今後は一般販売を目指したい」と話している。