素直な生徒、熱心な教員、SSH相乗効果 札幌啓成高校がランクイン この10年間で伸びた高校

 難関といわれる国公立大学への進学者が増加している札幌啓成高校(厚別東4条8丁目/中西勝範校長)が、㈱大学通信がまとめた「この10年間で伸びた高校」にランクインした。グローバルに活躍する人材を育成する文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)の指定を受けて、探究活動や海外研修などのプログラムに取り組んでいるほか、素直な生徒や教員の熱心な指導が相乗効果を生み、学力や進学率の向上につながっている様相だ。
 ランキングでは、東大、京大、北大といった旧帝大ほか、難関国公立大とされる計9大学への進学者数を2010年と2020年で比較。札幌啓成高校は2010年に5人だった9大学の入学者が2020年は19人となり、14人増で全国71位に入った。
 札幌啓成高校は、理数科が学年40人、普通科は同280人。2010年度にSSH指定を受け(2015年度から2期目、2020年度から3期目)、先進的な科学技術、理科・数学教育を通じた生徒の科学的能力や科学的思考などを培っている。2期指定からはSSHの取り組みを普通科にも本格的に広げている。同校の進路指導部長の佐藤公丈さんは「先生たちの取り組みと素直に指導を受ける生徒たち、探究活動や海外研修などのSSHのかみ合わせが上手くいっているのでは」と分析。9大学だけでなく、道外を含む国公立大学の現役合格者も伸びており、2019年は103人を数えている。
 SSHは、科学技術系人材の育成の前に国際的な―というキーワードがあり、英語を勉強したいという人にも有効。海外研修だけでなく、外国人の大学生、高校生が英語の授業に参加するプログラムもある。同校SSH推進部の堀内信哉さんは「SSHの主旨は、将来活躍できる人材の育成」という。加えて、理数科ではプレゼンの仕方や資料のまとめ方など大学のゼミのようなこともしており「ロボットやプログラミングなど理系の最先端技術に触れたい人は入学すると楽しいのでは」という。
 また、グローバルな人材育成を目指す同校では、来年度の推薦入試に普通科、理数科とも英語の問答を取り入れるという。