日本酒、焼酎など数百銘柄。希少な限定酒も 新札幌に角打ち酒販店 酒好き屋 HANASAKU 「お気に入り見つけて」

 JR新札幌駅高架下の新札幌名店街1階に「角打ち」が楽しめる酒販店がオープンした。店内には日本酒や焼酎の瓶がずらり。全銘柄一杯500円で、お気に入りの酒はその場で購入することもできる。店主は「お酒の楽しみは飲んでこそ。ぜひ味わって、自分好みの1本を見つけてほしい」と話している。
 
 白石区栄通から7月に移転オープンした「酒好き屋 HANASAKU」。店主の乾一等さんは、20歳になってすぐに角打ちの店の開業を目指して、独学で酒の勉強を始めた。洋酒の知識を得るために、ドイツビールなど各国の酒が比較的手ごろな価格で手に入るロシアに滞在したり、経営とマーケティングを学ぶため、会社勤めを経験したこともある。さらに、日本酒を学ぼうと、地元・札幌の酒蔵で2年間蔵人の経験も積んだ。
 「それまで知識としてはあった酒造りが、蒸し米の香りや、もろみが呼吸するように発酵する様など、自分の肌感覚で学ぶことができた。酒のより深いところの魅力にふれられたのは貴重な経験だった」と振り返る。
 7年間の準備期間を経て、昨年7月、白石区に最初の角打ちの店を開業。しかし20代の若者が起こした酒販店と、いきなりまとまった取り引きをしてくれる卸業者はなく、仕方なく、全国各地の小規模だが蔵元とのつながりが深い卸業者に一件ずつ掛け合った。
 「そうせざるを得ない状況だったんですが、今はそれが、うちの強みというか、最大の特長になっている」。地元の卸業者にしか入ってこない限定酒などが、全国から仕入れられる独自の流通ルートを作り上げた。
 店内に並んでいる酒は、日本酒、焼酎、泡盛、果実リキュール、ウイスキー、熟成テキーラなど数百銘柄。おすすめを聞くと、まろやかな優しい味わいと米焼酎ならではの風味が楽しめる「武者返し」(熊本・寿福酒造場)や、蔵の仕込みタンクからしか味わえなかった生酒を瓶詰めした希少品「柴田酒造店 限定純米大吟醸」(札幌・日本清酒)、無濾過生タイプの限定酒「華味之至」(同)などを教えてくれた。ある人に「泡盛は飲むのではなく、なめて味わえ」と助言されて、店主が泡盛に目覚めるきっかけとなった「萬座古酒(43度)」(沖縄・恩納酒造所)は、ロックでいくのがおすすめという。
 乾店主は「味覚は人それぞれ。ご自身で香りや味を確かめて、好みの酒との出会いを楽しんで」と話している。
 角打ちは一律1杯500円。生ビールはS600円、M700円、L950円。枝豆、ソーセージ盛り合わせなどおつまみ各種(300~500円)も提供している。営業時間は昼12時~午後10時。日曜定休。店内は立ち飲みスタイル。
 酒好き屋 HANASAKU/厚別中央2条5丁目6―6新札幌名店街1F、【TEL】050―6861―9956