◆さわやか自然百景「北海道 富良野岳 夏から秋」

NHK総合テレビ11月24日(日)朝7時45分~7時59分=北海道の中央、十勝岳連峰・最南端の富良野岳は、標高1912mの火山。夏、稜線ぞいを彩るのは花の絶景だ。高山植物の女王・コマクサなど、見られる植物はおよそ100種類。実はこの風景は火山の環境なくしては出来なかったものだ。緯度が高く、標高1400m以上では木々が育たない富良野岳。さらに溶岩に火山灰が積もって出来た土壌は栄養分や水分に乏しく、切り立った岩は強い風を生む。多くの植物を拒むこうした環境は明るく開けた稜線を作り、そこに高山植物が分布を広げたのだ。それを目当てに現れるのは「生きた化石」エゾナキウサギ。高山植物の葉や花は好物で、溶岩のくぼみをすみかにする。秋、山肌が草紅葉に彩られると、エゾシマリスが草の種を集めるのに奔走する。ナキウサギも葉をちぎって走り回る。冬の間の食べものや寝床にするためだ。