サンピアザ水族館が営業再開 人気者にまた会える

新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、2月末から休館していた新札幌のサンピアザ水族館(厚別中央2条5丁目7―5)が、およそ40日ぶりに営業を再開した。天敵から身を隠すための魚の能力に着目した「水中の忍者ただいま参上!」、ナマズのひげの秘密に迫る「知ってびっくり!?ナマズ展」など、次々とユニークな企画を打ち出す同館。その仕掛け人である福田利幸館長に話を聞いた。
 同館で飼育している魚は、日本近海の海水魚を中心に約180種、個体数は6000~1万匹に上る。都市型水族館としては東京・東池袋のサンシャイン国際水族館に続いて国内2番目に開館した。平成30年度の入館者はおよそ14万7000人。その多くが地元のリピーターで、繰り返し来館してもらえるよう、年間5本以上の企画展を開催している。
 捕食時にイルミネーションが点灯する「デンキウナギのクリスマスツリー」や、ハート型の魚を集めた「バレンタインデーの魚たち」、夏の風物詩「金魚展」などは定番。魚なのに海底を歩いたり水が嫌いだったりする、一風変わった水中の生きものを集めた「へんてこりんな仲間たち」や、水中で懸命に生きる幼生期の魚や貝にスポットをあてた「赤ちゃん展」も人気だ。上品な白身魚のようなウツボや、実はいい出汁がとれるフジツボなど、食べると意外とおいしい魚を集めた企画では、魚の展示と併せて全国各地の魚料理を提供する飲食店も紹介。ただ「なぜ水族館がグルメ取材なのか」その説明に苦労したという。しかも、あまりウケなかったというからつらい。
 今年はオリンピックにちなんで、泳ぐスピードや変わった捕食方法など魚の様々な能力に注目した企画を準備していたが…まさかの延期と、苦悩は続く。
 お正月には、その年の干支にちなんだ魚をご神体として祀る神社を毎年設置している。その魚の選定が秀逸で、今年はナマコを漢字(海鼠)にして「子(ね)」を表現。十二支で特に困難なのが羊(ひつじ)で、英語名まで範囲を広げて探しても、予算内で取り寄せられる魚がなく、結局明けましておめで「タイ」を展示したが、特に苦情はなかった。
 営業再開後は、コロナウイルス対策のため、魚や貝に触れられるコーナーやドクターフィッシュなど一部中止するものもあるが、基本的には全面オープンする。福田館長は「安心して楽しんでもらえるよう、館内の衛生管理は徹底しています。地元のみなさんに癒しを提供する地域密着の水族館としてこれからも親しんでもらいたい」と話している。
 問/サンピアザ水族館【TEL】011―890―2455。