散歩道 8月23日号掲載

▼――電車の中で騒ぐ子供に、車内は「静かにしろよ」という険悪な空気。お母さんは必死に静かにさせようとするが言うことを聞かない。そこで子供に直接話しかけて「楽しいところ、ごめんな。実はな、電車の中には、疲れてるおじさんがたくさんおってな。ちょっと眠りたいんで、少し静かにしてくれると助かる。悪いな」と頼んだら、子供はビックリした顔でうなずいて、ピタッと静かになった。電車を降りる時、「ありがとうな。よう静かにしてくれたな」と一声かけると、知らないオッサンにまた声かけられたとビビりつつも、うなずいてくれた――概略こんな体験談▼投稿したのは「子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法」(朝日新聞出版)などの著書もある篠原信(まこと)さんという人。篠原さんは続けて「子供が騒ぐのは、親がしつけていないのではない。他人である私たち大人が、子供と関わろうとしないからだ。それは無責任」「“赤の他人”だからこそできるこうした育児のアシストで、子育てに難渋しているお母さんがずいぶん楽になる」などと書き込む…▼“面倒に巻き込まれたくない”と無関心を装う「大人の無責任」の指摘が耳に痛い。篠原さんのツイートは多くのお母さんの共感を集め、「反応のすごさにおののくほど」だという。