自宅で暮らすがん患者などの訪問診療を専門とする緩和ケア診療所が、札幌市厚別区に開院した。治療中も住み慣れたわが家で、家族と穏やかな時間を過ごしたい患者を、心身両面でサポートする。
厚別区厚別南2丁目に昨年11月、開院した「厚別南ひばり緩和ケアクリニック」。院長の蓮池史画(しが)医師は、京大附属病院でがん治療に携わった後、同院の緩和ケアチームに加わった。その後、奈良の在宅ホスピスなどで10年間、緩和ケアを本格的に学び、故郷の北海道で訪問診療専門の診療所を開院した。
緩和ケアは、がん治療中に伴う痛みや吐き気を軽減し、治療に取り組む患者の意志を支える。食事、入浴、トイレ、睡眠など生活全般についてのアドバイスや、患者や家族の不安をやわらげる心のケアをするのも訪問診療ならではの対応だ。がん治療終了後や、他の病気でも、辛い症状を緩和して自宅で過ごしたい人の診療に応じる。入院より経済的負担が少ないこともメリットとなる。
「病院での医療と在宅での医療、どちらが自分に合っているか、患者さんと家族にその選択肢を広げてあげたい」と蓮池院長は話している。
問/厚別南ひばり緩和ケアクリニック【TEL】011―398―3567。